お兄ちゃん、子どもたちにも目を向けてね。
大事なことが書いてあるからね。読んでみてね。
01.子どもの気持ちと行動の理解と対応
①子どものせいではないことを伝えます
親の様子がいつもと違うとき、家の中に何か心配な状況があるとき、それを「自分のせいかも・・?」と自分に関連づけて考えることが子どもではよくみられます。就学前のお子さんなどは、発達上の特徴から、何事も自分に結びつけて考える特徴があります。例えば、遠足の日に雨がふったとき「ボクがおねしょをしたから?」などと考えることがあります。
年齢があがるとともに、この傾向はうすまりますが、こころの病気は目に見えずわかりにくいため、年齢があがっても、自分と関連づけて考えやすい傾向があります。自分が病気の原因とまでは考えなくても、病状の波と結びつけて「自分が何かやったから?」「もっと◯◯しなきゃ」など責任を感じていることもあります。病気や病状と子どもを結びつけない、誰のことも責めない対応を心がけます。
◯「あなたのせいではないよ」「病気はだれのせいでもないよ」
×「いい子にしてたらお母さん早く良くなるよ」「そんなわがまま言ったらお父さんの病気が治らないよ」
②子どもなりの工夫やがんばり、いろいろな気持ちを、そのまま認めます
自分の周りで起きているいつもと違う状況を、その子どもなりに感じとり、さまざまな工夫をしています。心配をかけまいと勉強やお手伝いをがんばる子、妹や弟の世話をがんばる子など。不安に対して、何らかの儀式にのめりこんだりすることもあります。子どもなりの工夫やがんばりは、まずそのまま認めます。その上で、頑張りが負担になりすぎないように気をつけます。
こころへの負担が重なると、体調や言動の変化(例えば、頭やお腹が痛くなる、勉強や学校のことに集中できない、物や動物にあたる、友達とうまくいかないなど)としてあらわれることもあります。このようなときには、がんばるように励まさずに、心配事はないか、負担が重なっていないか、ということに気をつけて、子どもに接します。
子どもの感じるいろいろな気持ちは、どれも大切な気持ちです。不安やイライラ、怒りや恥ずかしい気持ち、よくわからない気持ち・・・それらも否定しないようにします。
◯「~してくれてありがとう」「しんどいときやさびしいときはそう言っても大丈夫だよ」
◯「~と感じていたんだね」「よく言ってくれたね」(気持ちを話してくれたときなど)
③心配なことを話しても大丈夫と伝えます、今の状況について伝えられることを伝えます
心配な状況に対して何も説明がないとき、子どもは自分のせいではと感じたり、想像力を働かせてより大きな不安を抱えることもあります。また「このことは聞いてはいけない、話してはいけない」「かくし事をされている、自分は信頼されていない」と感じてしまうこともあります。
子どもと病気や病状について話をすることはデリケートなテーマですので、ご家族のタイミングも大切にし、伝えられることから、伝えていただきたいと思います。目的は、子どもの安心につながること、「自分も家族の一員として信頼されている」感覚を持てること、「話しても大丈夫」と感じられることです。 伝えるときのポイントは、次の段落で説明しています。
病気のことに限らず、心配なことを話せる雰囲気や、困ったときに連絡できる場所があると知ることが安心につながります。困っていることへの具体的な対処を一緒に考えるのもよい方法です。
◯「心配なことを話してもいいんだよ」
◯こまったときカードをつくってわたす(4の項目参照)
*心配なことを話しても大丈夫と伝えても、「別に・・」「わからない」といった答えがかえってくることも多いと思います。このようなときには、無理に気持ちをひきだそうとせずに、子どもが関心を持っていることについて話したり、いっしょに好きな遊びをする機会を持っていただけるとよいと思います。
02.病気について伝えようと思ったら
子どものことを気にかける一生懸命さが一番のメッセージです
伝えていただきたいポイントは次の3点です。
・様子がちがうのは病気のせいであること、それは病気のせいであなたのせいではないこと
・あなたのことを大切に思っていること
・良くなるように治療などに取り組んでいること
病名など、どこまで伝えるかは、子どもの年齢や個性、ご本人ご家族の状況にあわせて、伝えやすい範囲を考えます。何度かにわけて少しずつ伝えてもよいと思います。支援者の方と相談する方法もあります。伝えっぱなしにするのではなく、継続的に関わります。
いずれの場合も、子どもから急に尋ねられたり、予期せぬ機会に明らかになることもありますので、心づもりをしておくと安心です。子どもに尋ねられたとき、すぐに説明しない場合も、「◯◯(時期など)になったら、ちゃんと説明するからね」など、誠実に対応するようにします。
子どもにも、大切な話をきく心の準備やタイミングがあります。子どもが話に気がのらないときには、無理をせず終わりにします。集中して大切な話をできる時間はお子さんによってさまざまです。5分や10分が限界という子もいます。
*隠し事がなくなることは伝えるメリットですが、一方で、年齢が低い場合など、思いがけず、いろんな人に親の病気のことを話すことも考えられます。例えば、「お母さんの病気のことは、お父さんと◯◯先生にお話してね」などと具体的に伝えるのも良いと思います。
*支援者の方が家族の病気について子どもと話をしようとするときには、家族の意向を確認し、できるかぎり事前に相談します。病気のご本人やご家族の、できているところに注目し、子育てを一緒にサポートする視点で接することが、子どもの支援にもつながります。日常生活のサポートも大切です。
病状の説明例)
「お母さんは病気のせいで元気がでなくて、今は◯◯といっしょに遊べないんだよ。◯◯のせいじゃないからね。」
「病気のせいでひとりごとを言うことがあるんだよ。病気が良くなるようにお薬をのんだり、お医者さんのところに通ってるんだよ。ひとりごとを言っているときには、お部屋に行って好きな本を読んでいようね」
03.子どもの安心のためにそのほかにできること
◯病気の正しい知識をもつ
イラストで学ぶ病気や障がいのコーナーでそれぞれの病気について説明しています。
◯子どもと楽しい時間を過ごす
例)子どもが好きなことや関心のあることを一緒にする
(ゲームなどの通常の遊びで大丈夫です、短い時間でも自分だけの時間は嬉しい時間です)
お互いが自然に安心できるスキンシップがあれば取り入れる
◯これまでの生活習慣や対人関係が大きく変わらないようにする
例)おはよう、おやすみの挨拶など、変わらない習慣を続ける
食事や入浴、身だしなみ、睡眠リズム、学校の準備など日常生活をサポートする
環境が変わるときには、子どもの安心できる持ち物を持っていけるようにする
◯ご家族も自身のケアを大切にする、困ったら相談する
例)ときどき自分の調子を振り返る、頑張っている自分をいたわる
ときには家事の手を抜く日を作る、サービスを活用する など
*大人が相談する姿をみることで、困ったら相談してもよいことを子どもが学ぶ機会にもなります
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